特撮番組、またはOVAで知られる事が多い「ジャイアントロボ」。写真は、横山光輝先生が昭和42年に週刊少年サンデーで連載されていた「漫画版」の単行本だ。
横山光輝先生は昭和42年当時、週刊少年サンデーに「ジャイアントロボ」と「仮面の忍者赤影」を連載されていた。「仮面の忍者赤影」は既に単行本化されているが、「ジャイアントロボ」の方は単行本化されたのが平成17年(!)、なんと連載時から38年も経ってからだった。
僕は昭和41年生まれであり、昭和42年当時は1歳だったため、週刊少年サンデーの連載も特撮版もリアルタイムでは見ていない。幼稚園の時に特撮版「ジャイアントロボ」の再放送を観てその存在を知った。
これが横山光輝漫画を初めて知ったきっかけであり、僕を今の職に就くのに影響を与えた作品だった。アルバムには、幼稚園児時代の僕がジャイアントロボの塩ビ人形を抱えている写真がある。三つ子の魂・・・の言葉通り、その時の影響は、もうすぐ40歳「不惑の域」に入ろうとする僕に及ぼしている。
後に「ジャイアントロボ」の原作漫画版の存在を知り、単行本を探した。しかし見つける事が出来なかった。当然といえば当然だった。「ジャイアントロボ」は単行本化されていなかったからだ。
しかし同時期に雑誌連載されていた「仮面の忍者赤影」は単行本化されているのに何故という疑問が湧き上がった。
これは後に漫画情報誌で知った事だけど、「ジャイアントロボ」の連載当初は小沢さとる先生と共著だった事や、原稿そのものの紛失によるものだという事が判った。それ故に原作漫画版「ジャイアントロボ」は「幻」同然の作品になっていたようだ。
20年前、神田の古本屋街で、ファンの人達が作ったらしい「ジャイアントロボ」の単行本を見つけた。
しかしその本は厚さ5ミリ程で、値段が1500~2000円くらいだった。喉から手が出る程欲しかったが、その値段に買うのをためらっていたら、その後その本を見かける事は二度となかった。正に幻を見たような気分だった。
「ジャイアントロボ」の原作漫画版を手に入れるには、連載当時の週刊少年サンデーを買うしかなかった。しかし20年前でも昭和42年当時のサンデーは稀少本であり、ましてや「ジャイアントロボ」掲載ともなるとプレミアが付き高価になっていた。僕の手には届かぬ存在だった。
そして平成17年、様々な問題がクリアされ、講談社から「原作完全版」の単行本が発売された。第1部の単行本の帯には「あの幻の名作が、40年の眠りから、今、甦った!!」と書いてある。待ったよ・・・確かに40年近く待ち続けたよ・・・!(^^;)。
ハードカバー、カラー再録、美しい装丁、40年近く待った甲斐のある満足な出来映えだった。
しかし、1冊1700円で全3巻(3巻目のみ1600円)は、ちょっと懐が痛かったな・・・(^^;)。
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