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徒然なるままに書き記した戯言集です(^^;)。
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 昨日の続き。

 1年半前にパソコンが壊れ、仕事が忙しかった事もあり修理もままならなかった。さすがにこれはイカンと思い、原稿料がまとまって入って来た時に新しいパソコンを買うことにした。
 友人に相談したところ、その友人も近々パソコンを買う予定らしかったので、下見ついでに僕の買い物に付き合ってくれると言ってくれた。
 4月11日に友人数人と秋葉原まで行く事が決定した。

 しかし当日は雨、秋葉原行きは翌日に持ち越された。
 ヘンに時間が空いてしまったので、昼2時頃に部屋の片付けをした。ただ片付けるのも味気無いので、BGMがわりにDVDを流した。DVDは、CSから録画した「NHK銀河テレビ小説 まんが道」。昭和30年代、漫画家の藤子不二雄先生の若き頃の物語だ。画面には伝説の漫画家アパート「トキワ荘」のシーンが映しだされていた。藤子不二雄先生の2人は部屋の中で「松葉」のラーメンを美味そうに食べていた。
 これがいけなかった。僕も無性に「松葉」のラーメンが食べたくなってきた(^^;)。僕のアパートから「松葉」までは自転車で45分ぐらいの距離、外は上がる寸前の霧雨になっていた。これは行くしかないっ!。

 自転車を猛ダッシュで漕いだ。頭の中は「松葉のラーメン」でいっぱいだった。食べているところを想像すると、満賀道雄ばりに「ンマ~イ!」と感激している自分の姿が浮かんだ。自転車で45分走るとかなりの距離を進む。だが食欲に支配された体には、そんな距離は屁のつっぱりにもならなかった。

06-08-09a.jpg 06-08-09b.jpg

 走ること45分、現地に到着した。「松葉」に入る前に、「トキワ荘跡地」へ向かった。
 漫画家にとっての聖地「トキワ荘」はすでに存在しない(写真は1996年に僕が撮影した。これは1980年代に改築された「トキワ荘」)
。現在は一旦更地になった後に隣の出版社(印刷会社?)の増築部分が建てられている。僕はかつてそこにあった「トキワ荘」の姿を思い浮かべながらお参りをした。
 「トキワ荘」のすぐ裏手に「松葉」はある(下の写真は1996年に僕が撮影。現在も、このまんま)。

06-08-09c.jpg

  店の中に入る。中はこじんまりとしていて「まんが道」の雰囲気そのまま(改装はしているようだが、レイアウトはそのままだと思う)。感慨に浸りながらラーメンを注文した。
 スープは東京下町の正油味、懐かしい匂いのするラーメンだ。昭和30年代に藤子先生や寺田ヒロオ先生達が食べていたのもこんな味だったのだろう。
 味の感想は、ただ一言に尽きる。

 「ンマ~イ!」だ!。

 「松葉」を充分に満喫した僕は、店を出ようと立ち上がり代金を支払おうとした。
 ポケットをまさぐった時に異変に気づいた。

「財布がない・・・・・!?(^^;)」

 あらゆるポケットをまさぐってみた。だが、財布はどこにも見あたらなかった。出かける時にちゃんと財布を確認したので、持ってきた事は間違いなかった。まさか・・・?落としたのか・・・!?。
 お金は全部財布にしまってあるので、ラーメン代が払えない。ATMでおろしてこようにもキャッシュカードも財布の中だ(T_T)。すると取る方法は1つ、アパートまでお金を取りに行くしかない!。
 店の人に事情を話し、お金を取りに戻ると約束した。あぁ・・・漫画の聖地でこんな歴史的汚点を付けてしまうとは・・・(T_T)。
 店の外に出ると、さっきまで上がる寸前の霧雨だったのが、まごうことなき小雨に変わっていた(T_T)。ラーメンを食べてすぐ戻るつもりだったから、天気が悪くなる前に帰れるだろうと思い、傘を持ってきていなかった。これはいきなりの試練だ。

 小雨の中をブルーな気持ちで走っていく。走りながらある事を思いだした。明日は友人達と秋葉原にパソコンを買いに行く事になっている。そのために僕は前日にパソコン代を銀行からおろして財布に入れていた。買う機種は決めていなかったが、一応の見積もりとして13万円をおろしていた(^^;)。それがたったの1日で・・・・・ド畜生ーーー!!。
 僕のアパートから「松葉」までは、大通りをほぼ一直線で走るルートだ。落としたとすると、このルート上だ。僕は走りながら道端に目を凝らした。しかし焦りと悪天候で、探すのが容易ではなかった。
 僕は1つの可能性にすがった。それは、「僕は間違いなく出る時に財布を持った事を確認した。しかし何かのはずみで部屋の中に置いてきてしまったのだ」と・・・。そうである事を必死で祈り続けた。

 アパートに到着した。結局、財布は道端には落ちていなかった。あとは部屋の中にあることをただ祈るのみ!。
 急いで部屋の中をまさぐってみた。しかし、僕の唯一の望みは見事に打ち砕かれた(T_T)。
 13万円・・・、僕が今までにお金を落とした中では最高金額だ。13万円を落としたのだと自覚した瞬間、膝から崩れ落ちた。
 悪夢はこれだけではなかった。僕は生活のある程度必要な分だけ財布に入れてある。あとのお金は家に置いておかず、銀行に預けてしまうのだ。銀行からお金をおろしたばかりだったので、当然部屋の中に現金があるはずもなかった。ラーメン代すらも・・・。
 キャシュカードも財布と共に落としているのでお金をおろせない。一体どうすれば・・・・!?。

 そこで思いついた。通帳を持って銀行窓口でおろせばいいんだ!と。幸い時間は夕方4時、銀行は開いている!。
 早速、通帳と印鑑を持って銀行へ行った。おろす金額を書類に記入している時にフと頭によぎった。ラーメン代をおろしてまた自転車で行くのは大変だから、電車賃もおろしておかなければ・・・それに明日はパソコンを買いに行くんじゃないか・・・!、パソコンの分の13万円も今おろしておかないと・・・・うわあぁぁぁっ何て高く付くラーメン代なんだっ!
 仕事の納期が重なったため、まとまった原稿料が一気に入ってきてはいた。おかげでお金をおろす事ができた。しかし、こんな短い間に約26万円のお金をおろしてしまう事になろうとは・・・(T_T)。

 今度は電車で「松葉」へ向かった。松葉で無事にラーメン代を支払い店を出た。しかしまだ気は重かった。13万円とキャッシュカードが入った財布を丸ごと落としたのだ。そう簡単に気が晴れる訳が無い。
 僕は警察に届ける事にした。もしかしたら親切な人が警察に届けているかもしれないし・・・!可能性は薄いけど。それにキャシュカードも落としているのだから、迅速に届けなければなrなかった。
 僕のアパートと「松葉」の間の中間地点にある派出所に落し物の届け出をした。財布を拾ったという連絡は全然無かったとの事だった。仕方なく届け出の書類に必要事項を書いて提出した。
 あとは天に祈るのみだった。僕は失意のまま帰路についた・・・。


   
あぁ、やっぱり長くなっちゃった(^^;)。続きは、また明日!この後、結構ドラマチックな展開になっていきます(^^;)。

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