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徒然なるままに書き記した戯言集です(^^;)。
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 リリー・フランキーの小説がドラマになったり、新東京タワーが建設発表になったりと、最近「東京タワー」が話題になっている。

 僕も「東京タワー」で思い出した話がある。題して「東京タワー オトンの話」(^^;)。
 これは以前、僕の父親から聞いた「若き日の父」の話だ。

 時は昭和33年東京タワーが建設された。
 当時、父は高校生。東京タワーは実家の埼玉県八潮市からもよく見えたという。
 埼玉県八潮市から東京タワーまでは直線距離で約20数キロ。父親は、目の前に見える東京タワー目指して自転車で行ってみようと決意した。
 当時の事だから、もちろん変速ギア付きのサイクリング車は存在しない。重いチャリンコで、目の前の東京タワーを目指してひたすらペダルを漕ぎ続けた。
 夕方、父親は東京タワーに到着した。自分の力でここまで来れたんだと、父親はその達成感に浸っていたらしい。

 ここまで書くと「ハチミツとクローバー」の中のエピソードのようでなんだか微笑ましいが、問題はこの直後に起きた。
 東京タワーに到着した達成感を胸に抱え、父親は帰路についた。しかし、行きは「東京タワー」という明確な目標物があったので、ただそれを目指せばよかったが、帰りには目標物が存在しない(^^;)。しかも東京タワーを見て走っていたので、途中の道筋を記憶していない(^^;)。
 とりあえず北に向かえば埼玉だと考えたらしく自転車を走らせた。しかし困難はまだまだ続く。
 東京タワーに到着したのが夕方。帰路は当然周りが暗くなっていく。昭和33年当時、埼玉県は東京に隣接しているとはいえ、まだまだ田舎。街灯だってそれほど整備されているわけではない。当然、北に向かっていくほど街灯は少なくなっていく。
 明確な目標物も無く、街灯もまばらな暗い夜道を道筋を知らないまま父親は北に向かってひたすら自転車を漕ぎ続けた。帰宅した時は深夜になっていたという(^^;)。


 僕の「面白そうな事には後先考えずに飛びつく」性分は、この父親の血を受け継いだ事に由来するのは間違いない(^^;)。

 2011年には新東京タワーが完成するという。その時は僕も父親のように挑戦してみようかな?(^^;)。親子2代に渡る、約50年振りの「東京タワー走行」だ。
 ま、今度の新東京タワーは「墨田区」だから実家から近いし、高さも東京タワーの2倍あるから見失う事は無いし、いくら埼玉県とはいえ21世紀ともなれば街灯はそれなりにあるし(^^;)。
 父親のような困難は無いと思うけどね(^^;)。

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