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徒然なるままに書き記した戯言集です(^^;)。
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 実家で飼っているが亡くなった。十余年生き続けたのだから大往生だろう。
 実家では長く飼われていたこの犬、だが僕とは馴染みは薄かった。この犬が飼われている時期、僕は東京で一人暮らしをしていて、実家に戻るのも年に1,2回程度だった。その少ない機会でしか犬に会っていないので、共に過ごしたという印象は薄い。僕が東京から引き上げ、正月から地元で暮らすようになってからここ1ヶ月ぐらいが犬と密に会えた期間だ。

 馴染みが薄いのにもかかわらず、飼い犬の死は結構堪えた。ペットとはいえ家族の一員であるし、ここのところは毎日顔を合わせていた相手がいなくなってしまった事に相当な「喪失感」を味わった。
 この「喪失感」こそが僕が自分でペットを飼わない理由だ。

 僕は20歳の時、漫画家のアシスタントの仕事が決まって東京で一人暮らしを始めた。近所に住むアシスタント仲間はほとんどが一人暮らしだった。アシスタント仲間の中にはペットを飼っている人もいた。一人暮らしでハードな仕事をしているとペットを飼う事が「癒し」になっているという。
 確かにアシスタントの仕事はハードだ。昼前に仕事場に入り、仕事が終わるのは日を跨いだ夜中、または翌朝というケースもある。しかも決まった休日があるわけではない。これだけ部屋を空ける時間が長いと、その分ペットを放置する訳なので、「飼う」という行為がとても難しい。そのため大体がケージに入れて飼う小動物だとか、水槽で飼える熱帯魚だったりする。
 僕は動物は嫌いではない。むしろ好きな方だと思う。一人暮らしで切ない時や、多忙な仕事から帰ってきて疲れている時などには、部屋にペットがいてくれたらどれだけ「癒し」になるかもよく判る。しかし、それでも僕はペットを飼わなかった
 部屋を長い時間空けるのでペットの世話が難しいというのもあるが、先にも書いた「喪失感」を味わうのがキツいので飼わないようにしていた。

 ペットは基本的に人間よりも寿命が短いので、共に暮らしていればいつかはペットの死に目に逢う事は判っている。だがその出来事に直面すると、理屈じゃ判っていても、僕の場合、心がその事実を消化しきれないのだ。しかも消化するまでに相当な時間を要するので厄介だ。
 そんな性格だからペットを飼う事が難しい。だから寿命が短い小動物などは絶対飼えない。しかも新しいペットを飼う事で前のペットとの死別に上書きするという事も僕には出来ない。
 ペットとの死別というのは、例えていうなら「でかい塊のステーキを平らげた時の腹具合」という感じだ。「死別」という事実を体に受け入れたら、それを消化して自分の血や肉にするのには相当な時間を要する。消化しきれていない間は体の奥底に重さが残ったままだ。そんな物が残っている間は他のものにも食指は動かないという事だ。
 ペットが死んだ直後、その悲しみを埋めるためにすぐ新しいペットを飼う人がいる。その方が精神衛生上には良いのだろうが、僕には真似できない。ステーキ食った直後にラーメン出されても、美味い、美味いと食えないのと同じだ(^^;)。次のラーメンを食べるためには、前に食べたステーキを消化しなければ腹に入らないのだ。

 ペットとの死別がいやなのなら、寿命の長いペットを飼えばいいとも思うが、共に過ごす時間が長ければ当然愛情も深まる。しかし愛情が深まれば深まるほど、それを失った時の「喪失感」も比例して深くなる。そんなモン喰らったら腰も立たなくなるだろうね(^^;)。

 こんな厄介な性格だから、これからも自分でペットを飼う事は無いだろうね。道端を歩いている犬、猫などはよく構ったりするんだけどね(^^;)。
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