徒然なるままに書き記した戯言集です(^^;)。
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3月21日、ルフトハンザ航空の2度のストライキによって、予定より3日遅れのイタリア入りとなった。
この間にドイツの副操縦士による飛行機墜落事故があったため、日本にいる家族や知人には心配をかけるハメになってしまった。とんだ珍道中だ(^^;)。
イタリアへ来たのは、「ヨーロッパ漫画学院」という日本漫画の技術を教える専門学校に講師として招待されたためだった。
2年前、グラフィック社に「絵になるキャラポーズの法則」制作の打ち合わせに行ったところ、ちょうどヨーロッパ漫画学院の校長先生と講師の方たちが会社見学に来ていて、編集部から「彼らにちょっと軽く漫画のレクチャーをしてくれないか」と言われたのがきっかけだった。
ヨーロッパ漫画学院は毎年9月に生徒たちを引き連れて3週間ほどの日本留学をしていた。その期間中に行われるワーゥショップに僕は講師として呼ばれるようになった。それが縁となり、今回はイタリアに招待されて授業を行うことになった。
ヨーロッパ漫画学院HP
http://www.accademiamanga.it/jap/index.php
ヨーロッパ漫画学院Facebook
https://it-it.facebook.com/accademiamanga?rf=301583486604617&filter=3
ヨーロッパ漫画学院は郊外にある。到着したときはすでに辺りは真っ暗になっていた。
ルフトハンザ航空の2度のストライキでイタリア入りが3日ほどおくれたが、皆、暖かく迎えてくれた。
寮にあるゲストルーム。僕はここで生活をすることになる。
建物の1階は食堂と僕の部屋がある。生徒たちは2階で寮生活をしている。イメージとしては普通運転免許の合宿教習の感じだ。
目の前にはトスカーナ地方の美しい風景が広がっている。こんなに環境が良い漫画の専門学校は日本ではとても考えられない(^^;)。
丘の頂上に寮があり、その下に教室がある。
本科コースの生徒たち。20人ほどの生徒がここで日本漫画の勉強をする。
ヨーロッパ漫画学院の校長先生は「ユーロ漫画出版社」の取締役でもある。僕の単行本もそこから出してもらった。
ユーロ漫画出版社HP
http://www.euromanga.it/
ユーロ漫画出版社FaceBook
https://www.facebook.com/euromangaedizioni
自分の漫画がイタリア語のセリフになっているのが何とも不思議な感じだ(^^;)。
僕は最初の授業として「日本漫画の基本的構造と構成」を教えた。
生徒たちは絵の技術や効果やトーン処理などについてなど「目も見えるもの」についての学習はしてきた。しかし欧米漫画とは特徴が異なる日本漫画の基本的構造や物語を読ませるための構成の工夫など「目に見えにくいもの」については学んではいなかった。
これは日本人があまりにも漫画読みとして成熟しているためにすでに皮膚感覚で身に付いているものなので、あえて言語化されていない要素である。イタリアで日本漫画ブームとはいえ、漫画読みのキャリアとしては日本人読者と比べるとまだまだ浅い。イタリア人にとってはこれから長い時間をかけて身に付けなければならない要素でもある。これはこれから日本漫画を学ぼうとするイタリア人漫画家にとっては圧倒的に不利である。
そこで僕は自作の漫画を使って説明することにした。これは、既存の漫画作品を例にして説明するほうが簡単だけど、教材としてプリントなどにしてコピーした時点で著作権的にアウトになるためだ。プロジェクターなどで投影する分は大丈夫らしいけど、コピーを作った時点でアウトになるらしい(^^;)。
面倒なことになるのは嫌なので、何の問題も無い自作の漫画を利用することにしたワケだ。
僕が予想した通り、生徒たちにとっては目から鱗の内容だったという。これで日本漫画についての理解が深まれば嬉しい(^^)。
次の授業では、ドイツでのトークショーの内容をそのまま流用した。著書でも書いた「コントラポストを利用したポージング」について説明した。
コントラポストとは、体重を片側の脚に寄せ、腰と肩を相反した傾きを作ることで曲線的で柔らかいポーズを作るテクニックだ。直立させるよりも意図的にポーズを崩すことによって柔らか味作ることでもある。
写真にある2枚の絵は、僕が授業で描いた作例。
(ヨーロッパ漫画学院Facebookより転載)
3回目の授業は、午前中から校長先生と供に用事で出かけていたために、戻って来てから残り時間が2時間ほどになってしまった。
授業をするには時間が中途半端だったため、急遽内容を変更、僕が原稿を描く実演を生徒たちに直接見てもらうことにした。
下書きからペン入れ、集中線描きまで説明をしながらやり、生徒たちからの質問にも答えた。原稿の描き方は説明するよりも実際に描く手順を見てもらったほうが説得力が出るし、生徒たちのためにもなると思ったからだ。
しかし、写真のように衆人環視の中で原稿を描くプレッシャーはハンパ無い(^^;)。しかも2時間の時間制限の中で描き上げなければならない。これは自分のための訓練でもある(^^;)。
ジャスト2時間で原稿が完成した。描いているところを人に見せるライブドローイングは何度か経験はあったが、せいぜいキャラクターを描く止まりだった。集中線やホワイトまで入れるのは初めての経験だった(^^;)。
イラストにサインが入っているが、これは後から頼まれて入れたもの(^^;)。
他の講師の方の授業の時は僕は見学をしていた。写真はジュジィ先生。ショートストーリー漫画の授業をしていた。写真はキャラクターのポーズを描くためにポーズを取っているところ。
生徒たちの作品は、まさに日本漫画。ヨーロッパでの日本漫画ブームは日本人の想像以上だということがよく判る。
水彩着色の授業。ヨーロッパ漫画学院の授業で教えるのは基本的に手描きの技術。生徒が趣味で描く原稿にパソコンを使うことはあっても、授業では基本的には手描きである。
確かに手描きで技術を覚えたほうが応用が利くので、これは良いやり方だ。
、アンドレア先生の授業。キャラクターの演技やストーリー構成などを教えている。
キャラクターの演技や演出について細かく指導している。
アンドレア先生が言うには、生徒たちは主人公に感情移入してセリフを作ることは出来るが、脇役の気持ちになってセリフを考えることが苦手らしい。そこを指導するのがなかなか難しいのだという(^^;)。
食堂での食事は、朝食はセルフで奥のテーブルの上のメニューをピックアップするが、昼食と夕食は当番の生徒が皆の分の配膳をする。
日本での食事と違うのが、まず前菜のメニューが出て、皆がそれを食べ終えてからメインディッシュが出ることだ。日本のように全部のメニューが一回でテーブルに並べられるのではなく、順番に食事が配られるので注意が必要だ。
スクランブルエッグに挽肉のソースがかかったもの。混ぜながら食べるとンマ~イ!。
さすがイタリア料理はンマ~イ!(^^)。
ペペロンチーノ。ピリッと辛味が効いていてンマ~イ!(^^)。
ペンネフィットチーネ(だったっけ?^^;)。ンマ~イ!(^^)。
ラザーニヤ。美味い!さすがパスタの国の人だもの!(^^)。
休日は、生徒たちは食堂で原稿を描いたりテレビを観たりしている。また「鋼の錬金術師」のDVDを観賞することが流行っているらしく、主題歌を日本語で歌う生徒もいる。
外でのボール遊び。一見バレーボールのようだが、細かいルールがある。
最初のトスを上げる時は「ウノ(1)!」と宣言しなければならない。あとは心の中でトスが続く数を数え、5打目にボールが来た場合はアタックして誰かにボールに当てまければならない。ボールを避けたりキャッチすればセ-フ。当てられたらアウト。3アウトで退場となる。
僕も混ぜもらったが、ルール通り動くのが結構難しい(^^;)。
授業見学時の空き時間を利用して生徒たちのラフスケッチを描いた。
ディエゴ、ダヴィド、レオナルド、ラファエッラ。
スケッチをすることで顔と名前が一致するようになった。また生徒たちを描いていると、生徒たちと直接話すきっかけにもなった。
エリカ、フランチェスカ、マッラ、ネネ。
レアンドロ、アレッサンドロ、ダヴィデ、ジュリア。
ステッラ、マリアンヌ、ヴェロニカ、マッダレナ。
イレーナ、アレッサンドロ、フェッデリカ。
キアラ、ナンシー、サラ、ミリアナ。
なんとか覚えたけど、僕の滞在日数が3日短縮になったので、もう日本に帰らなければならない(T_T)。
この間にドイツの副操縦士による飛行機墜落事故があったため、日本にいる家族や知人には心配をかけるハメになってしまった。とんだ珍道中だ(^^;)。
イタリアへ来たのは、「ヨーロッパ漫画学院」という日本漫画の技術を教える専門学校に講師として招待されたためだった。
2年前、グラフィック社に「絵になるキャラポーズの法則」制作の打ち合わせに行ったところ、ちょうどヨーロッパ漫画学院の校長先生と講師の方たちが会社見学に来ていて、編集部から「彼らにちょっと軽く漫画のレクチャーをしてくれないか」と言われたのがきっかけだった。
ヨーロッパ漫画学院は毎年9月に生徒たちを引き連れて3週間ほどの日本留学をしていた。その期間中に行われるワーゥショップに僕は講師として呼ばれるようになった。それが縁となり、今回はイタリアに招待されて授業を行うことになった。
ヨーロッパ漫画学院HP
http://www.accademiamanga.it/jap/index.php
ヨーロッパ漫画学院Facebook
https://it-it.facebook.com/accademiamanga?rf=301583486604617&filter=3
ヨーロッパ漫画学院は郊外にある。到着したときはすでに辺りは真っ暗になっていた。
ルフトハンザ航空の2度のストライキでイタリア入りが3日ほどおくれたが、皆、暖かく迎えてくれた。
寮にあるゲストルーム。僕はここで生活をすることになる。
建物の1階は食堂と僕の部屋がある。生徒たちは2階で寮生活をしている。イメージとしては普通運転免許の合宿教習の感じだ。
目の前にはトスカーナ地方の美しい風景が広がっている。こんなに環境が良い漫画の専門学校は日本ではとても考えられない(^^;)。
丘の頂上に寮があり、その下に教室がある。
本科コースの生徒たち。20人ほどの生徒がここで日本漫画の勉強をする。
ヨーロッパ漫画学院の校長先生は「ユーロ漫画出版社」の取締役でもある。僕の単行本もそこから出してもらった。
ユーロ漫画出版社HP
http://www.euromanga.it/
ユーロ漫画出版社FaceBook
https://www.facebook.com/euromangaedizioni
自分の漫画がイタリア語のセリフになっているのが何とも不思議な感じだ(^^;)。
僕は最初の授業として「日本漫画の基本的構造と構成」を教えた。
生徒たちは絵の技術や効果やトーン処理などについてなど「目も見えるもの」についての学習はしてきた。しかし欧米漫画とは特徴が異なる日本漫画の基本的構造や物語を読ませるための構成の工夫など「目に見えにくいもの」については学んではいなかった。
これは日本人があまりにも漫画読みとして成熟しているためにすでに皮膚感覚で身に付いているものなので、あえて言語化されていない要素である。イタリアで日本漫画ブームとはいえ、漫画読みのキャリアとしては日本人読者と比べるとまだまだ浅い。イタリア人にとってはこれから長い時間をかけて身に付けなければならない要素でもある。これはこれから日本漫画を学ぼうとするイタリア人漫画家にとっては圧倒的に不利である。
そこで僕は自作の漫画を使って説明することにした。これは、既存の漫画作品を例にして説明するほうが簡単だけど、教材としてプリントなどにしてコピーした時点で著作権的にアウトになるためだ。プロジェクターなどで投影する分は大丈夫らしいけど、コピーを作った時点でアウトになるらしい(^^;)。
面倒なことになるのは嫌なので、何の問題も無い自作の漫画を利用することにしたワケだ。
僕が予想した通り、生徒たちにとっては目から鱗の内容だったという。これで日本漫画についての理解が深まれば嬉しい(^^)。
次の授業では、ドイツでのトークショーの内容をそのまま流用した。著書でも書いた「コントラポストを利用したポージング」について説明した。
コントラポストとは、体重を片側の脚に寄せ、腰と肩を相反した傾きを作ることで曲線的で柔らかいポーズを作るテクニックだ。直立させるよりも意図的にポーズを崩すことによって柔らか味作ることでもある。
写真にある2枚の絵は、僕が授業で描いた作例。
(ヨーロッパ漫画学院Facebookより転載)
3回目の授業は、午前中から校長先生と供に用事で出かけていたために、戻って来てから残り時間が2時間ほどになってしまった。
授業をするには時間が中途半端だったため、急遽内容を変更、僕が原稿を描く実演を生徒たちに直接見てもらうことにした。
下書きからペン入れ、集中線描きまで説明をしながらやり、生徒たちからの質問にも答えた。原稿の描き方は説明するよりも実際に描く手順を見てもらったほうが説得力が出るし、生徒たちのためにもなると思ったからだ。
しかし、写真のように衆人環視の中で原稿を描くプレッシャーはハンパ無い(^^;)。しかも2時間の時間制限の中で描き上げなければならない。これは自分のための訓練でもある(^^;)。
ジャスト2時間で原稿が完成した。描いているところを人に見せるライブドローイングは何度か経験はあったが、せいぜいキャラクターを描く止まりだった。集中線やホワイトまで入れるのは初めての経験だった(^^;)。
イラストにサインが入っているが、これは後から頼まれて入れたもの(^^;)。
他の講師の方の授業の時は僕は見学をしていた。写真はジュジィ先生。ショートストーリー漫画の授業をしていた。写真はキャラクターのポーズを描くためにポーズを取っているところ。
生徒たちの作品は、まさに日本漫画。ヨーロッパでの日本漫画ブームは日本人の想像以上だということがよく判る。
水彩着色の授業。ヨーロッパ漫画学院の授業で教えるのは基本的に手描きの技術。生徒が趣味で描く原稿にパソコンを使うことはあっても、授業では基本的には手描きである。
確かに手描きで技術を覚えたほうが応用が利くので、これは良いやり方だ。
、アンドレア先生の授業。キャラクターの演技やストーリー構成などを教えている。
キャラクターの演技や演出について細かく指導している。
アンドレア先生が言うには、生徒たちは主人公に感情移入してセリフを作ることは出来るが、脇役の気持ちになってセリフを考えることが苦手らしい。そこを指導するのがなかなか難しいのだという(^^;)。
食堂での食事は、朝食はセルフで奥のテーブルの上のメニューをピックアップするが、昼食と夕食は当番の生徒が皆の分の配膳をする。
日本での食事と違うのが、まず前菜のメニューが出て、皆がそれを食べ終えてからメインディッシュが出ることだ。日本のように全部のメニューが一回でテーブルに並べられるのではなく、順番に食事が配られるので注意が必要だ。
スクランブルエッグに挽肉のソースがかかったもの。混ぜながら食べるとンマ~イ!。
さすがイタリア料理はンマ~イ!(^^)。
ペペロンチーノ。ピリッと辛味が効いていてンマ~イ!(^^)。
ペンネフィットチーネ(だったっけ?^^;)。ンマ~イ!(^^)。
ラザーニヤ。美味い!さすがパスタの国の人だもの!(^^)。
休日は、生徒たちは食堂で原稿を描いたりテレビを観たりしている。また「鋼の錬金術師」のDVDを観賞することが流行っているらしく、主題歌を日本語で歌う生徒もいる。
外でのボール遊び。一見バレーボールのようだが、細かいルールがある。
最初のトスを上げる時は「ウノ(1)!」と宣言しなければならない。あとは心の中でトスが続く数を数え、5打目にボールが来た場合はアタックして誰かにボールに当てまければならない。ボールを避けたりキャッチすればセ-フ。当てられたらアウト。3アウトで退場となる。
僕も混ぜもらったが、ルール通り動くのが結構難しい(^^;)。
授業見学時の空き時間を利用して生徒たちのラフスケッチを描いた。
ディエゴ、ダヴィド、レオナルド、ラファエッラ。
スケッチをすることで顔と名前が一致するようになった。また生徒たちを描いていると、生徒たちと直接話すきっかけにもなった。
エリカ、フランチェスカ、マッラ、ネネ。
レアンドロ、アレッサンドロ、ダヴィデ、ジュリア。
ステッラ、マリアンヌ、ヴェロニカ、マッダレナ。
イレーナ、アレッサンドロ、フェッデリカ。
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