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普通、漫画原稿を描く前は、「ネーム」という設計図を書く。大雑把なコマ割りとセリフを入れたラフで、これを編集者に見せて打ち合わせをして内容をチェックする。このチェックが通れば原稿用紙に描く事が出来る。
「ネーム」には絵を細かく入れる必要は無い。キャラクターのセリフと状況が最低限で編集者に伝わればいいだけなので、コマを割ってセリフさえちゃんと入っていればキャラクターの顔は丸を描いて名前を書き込んだだけでもいいし、背景なども描かずに例えば「夕方、学校」など状況が判る記述をすればいい。
しかし、このネームの描き方も漫画家によって様々だ。丸を描いただけの顔にフキダシを付けるだけの人もいるし、下描きになるぐらいみっちり絵を入れる人もいる。要は編集者に漫画の内容が伝わればいいわけで、どちらの方法が良い悪いは無い。ただ絵をみっちり入れると、内容は伝わりやすいがボツになった時にその労力が一瞬にして無駄になることがある(^^;)。
僕は絵を多く入れるタイプだ。これは「説明をする(書く)よりも絵を描いた方が判りやすい」からだ。あまりにもラフに描くと編集者に「このシーンはどういう意味?」と聞かれる事がある。こんな時は説明するのに手間がかかる。「百聞は一見に如かず」の諺どおり、百の説明をするよりも1コマの絵を描いた方が伝えるのが早く済む。それにある程度絵を入れると、僕も描いていてその世界に没頭しやすくなってきてイメージが湧きやすい。
僕がネームを描く時は、頭に浮かんだ光景をそのまま殴り描きで入れる。当然デッサンなんかは取らない。思うままに勢いで描き進む。
上の絵は先週発売された「自衛隊WARS201X」のネーム。大体、この密度になる。リズムがノッてくると、最後の方には下描きと同じぐらい絵が入る事もある(^^;)。ネームだからこんなに絵を入れる必要はないが、なかなか直せない。これは性分だ(^^;)。
完成原稿は下の絵。ネームとそんなに変わっていない(^^;)。ちなみにネームはB5コピー用紙に1枚1ページとして描いている。本番原稿は投稿用A4サイズ。したがってネームの絵に直接ペン入れして原稿にしているわけではない(^^;)。
今進めている仕事は、クラシック映画の漫画版書下ろし単行本。全128ページで、4話構成で1話32ページずつネームチェックを出している。
「映画」は「映像付き原作」みたいなものなのでネームを描くのは楽かなと思っていた。しかしこれが曲者だった。映像があるために漫画の絵のイメージが浮かびやすくなり、ネームを描いていてどうしても絵がビッシリになってしまう(^^;)。この「映画」漫画のネームは、1番上のネーム以上に絵がビッシリと入ってしまった(^^;)。
現段階で1話目のネームチェックが通り下描きに入っている。しかし思うように作業スピードが上がらない。どうやらネームにビッシリと絵を描いてしまったため、無意識に本番の原稿描きが「二度手間」と感じているらしい(^^;)。
今までは10ページ前後や30ページ前後の短編を描いていたため、ネームに多く絵を入れてしまっても作業に二度手間感は無かった。しかし今回は全128ページ。ネームに絵をビッシリいれてしまうと、原稿を描き上げるまでに256ページ分の労力を使う事になってしまう。さすがにこれは効率が悪い(^^;)。
そこで2話目のネームは、本番の原稿用紙にネームを描いて出した(^^;)。チェックがあればその部分だけ直し、ネームが通れば少々線をクリーンナップするだけで「下描き済み原稿」として使う事が出来る。これで二度手間感はなくなるはずだ(^^)。
2話目のネームは既にファックスで送って、あとは返事待ちの状態だ。これでOKが出れば、少々のクリーンナップ後に、すぐペンが入れられる原稿の出来上がりだ!。
今度からネームはこのやり方で描こう!(^^;)。
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