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「バクマン。」(作・大場つぐみ、画・小畑健、集英社刊)1、2巻を買う。
中学生の真城最高(サイコー・作画担当)と髙木秋人(シュージン・原作担当)がタッグを組んで漫画家になることを目指すストーリーだ。平成版「まんが道」(藤子不二雄・著)、または21世紀の「サルでも描けるまんが教室」(作・竹熊健太郎、画・相原コージ)といったところだろうjか(^^;)。
作画担当のサイコーはクラスメイトの亜豆美保に憧れていた。そこで原作担当のシュージンはサイコーを連れ立って亜豆美保の自宅を訪れる。玄関から出てきた亜豆美保に向かい、漫画家になることを宣言。そしてその場でサイコーは亜豆美保が声優を目指していることを初めて知る。
テンパッたサイコーは亜豆美保に、自分たちの漫画がアニメ化されたらヒロイン役の声を亜豆美保にしてほしいと頼む。その上、その場の勢いで夢が叶ったら結婚してくれとプロポーズも(^^;)。
そんな無茶なお願いにもかかわらず亜豆美保は了承。しかしそれまではお互いの夢を叶えるまでは絶対に会わないようにすると約束。サイコーは亜豆美保が声優として活躍するであろう18歳までアニメ化を目指そうと決意する。
学生時代、漫画家になりたいと考えたことのある人は少なからずいるはずだ。しかし、自分の実力、将来の不安などを考えると、一歩を踏み出そうと考える人は極端に少なくなる。「バクマン。」では中学生が漫画家になる夢を叶えるための努力や戦略が具体的に描かれている。また、編集部も「少年ジャンプ編集部」が舞台なので、漫画家になるには、また漫画家として生き残るにはどうしたらいいのかビジネスの観点から教えてくれる。夢への一歩を踏み出した人や一歩を踏み出すことに躊躇している人にとってこの漫画は大きなエールに感じることだろう。「夢に向かって突き進む」という一見シンプルだけど人がなかなか実行出来ないことなので、この漫画を読んでいるとテンションが上がってくる(^^;)。
しかしちょっと気になったことがある。「18歳までにアニメ化」という時間制限があるため、「どうすればデビュー出来るのか?」「どんな作品を描けば読者の人気を得られるのか?」「どうすれば早く連載を勝ちとれるのか?」という「戦略」に目が行きがちになっているように見える。
確かに「戦略」は大事だけど、漫画家になることが「漫画を描きたいから」ではなく「漫画を使って夢を実現したいから」というような見せ方になっているのが気に掛かる。漫画を描くことを「目的」ではなく「手段」になってしまっているところが僕にとってはこの漫画の中の唯一の不満だ。
しかしそれは1、2巻の内容についてのこと。「連載を取る」ということが目標になっているので、内容が「戦略重視」になるのも仕方の無いことかもしれないけど。
現在、週刊少年ジャンプ誌上での「バクマン。」は、新人の作品が週変わりで掲載され、読者の人気投票でその後の連載候補作が決まるというのをやっている。新人漫画家はお互いがライバルであり漫画を愛する同士であるという描かれ方をされている。お互いが刺激しあい切磋琢磨するというのが僕好みの展開になっている。
また、漫画家として活躍するのには「作品のクオリティを上げること」が必要となっている。戦略よりも作品を描くことに目が向けられているのが嬉しい。これで僕の不満は解消された。
現在の週刊少年ジャンプ誌上ではサイコーとシュージンのコンビが漫画家としてのデビューを果たしている。つまり今までの「バクマン。」の主人公がアマチュア目線だったのが、「漫画家」としての目線で描かれるようになっている。僕もまがりなりにも「漫画家」なので、同じフィールドで描かれていることにシンパシーを感じている。そこが僕が最近の「バクマン。」が面白いと感じているところだ。
昨今は漫画不況で漫画が元気が無いと言われるが、「バクマン。」はそんなご時世に喝を入れる作品だ。漫画の売り上げが落ちていると言われても、それでも面白い漫画は売れる。漫画を描くということにこんなに熱くさせてくれる作品もないだろう。
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