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徒然なるままに書き記した戯言集です(^^;)。
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 編集部から完成本が送られてきた。中を見て愕然とした。僕が描いた原稿のキャラクターの線が細く貧弱になっていた。原画では太めに描いたはずの輪郭線が、印刷されたら神経質的な細さになり、そのせいでキャラクターの存在感が貧弱になってしまっている。これは、僕が原稿をスキャンして2値化した時の「閾値」の設定に問題があったからだ。
 
 「閾値」とは白黒に2値化された原稿の白か黒かを拾う割合の値のことをいう。
・閾値が大きくなれば線は細くなり画面は白っぽくなる。
・閾値が小さくなれば線は太くなり画面は黒っぽくなる。
 コミックスタジオでは閾値127が初期設定になっているが、これはかならずしも適正値ではない。作者の絵柄や線の太さによって閾値の適正値には個人差がある。だから自分にとっての適正値は自分で探さなければならない。
 だがこれが難しい。モニター上で線が丁度よく見えても、印刷にはその通り出る訳ではない。プリンターでプリンロアウトしても、インクジェットプリンンターでは線が滲んで太くなる。オフセット印刷されたものとでは線の出方が格段に違う。一番いいのはレーザープリンターでプリントアウトすることだ。これなら実際の印刷に近い感じで出るので、それを見ながら適正な閾値を探せばいい。
 だが僕はレーザープリンターを持っていない(^^;)。つまり、僕の場合はいくら閾値の調節をしても、それが印刷にどう反映するかを確認する術が無いということだ。
 僕は最近、閾値を150にして原稿ファイルを送っていた。これだと線はシャープに出るものの、線が神経質敵に細くなるので、絵がどうしても痩せたものになってしまう。

 仕方がないので僕は編集部に相談した。僕は仕事で描いたイラストを、閾値「150、100、80」の3パターンでとったファイルを編集部に送り、どの閾値のファイルが印刷に適しているかを見てもらった。
 編集部からの返事は、イラストに関しては閾値80のファイルが線が一番しっかり出たということだった。縮尺率や絵の密度の問題があるので、漫画原稿の場合では閾値80が適正かどうかは判らないとのことだった。編集部からテスト印刷をしたものを郵送してもらうことになった。これを僕が見て最終的な閾値を決めるということだ。

 それにしても、仕事の合理化のためにデジタルを導入したというのに、ちゃんとした原稿にするためにこんなに手間がかかるとは・・・(^^;)。
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