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3月28日、ヨーロッパ漫画学院の人たちとエンポリという街に出かけた。
エンポリで行われる「Ludicomix」というイベントにユーロ漫画出版社が出展するため、ヨーロッパ漫画学院が参加する。
「Ludicomix」では会場として教会が使われている場所もある。
日本ではまず考えられない。神の御下でいかがわしい同人誌を売るという発想がまず無いからだ(^^;)。かといって「Ludicomix」では、いかがわしい同人誌は売られていない(^^;)。
ユーロ漫画出版社のブースも、この教会の中にある。
教会の中庭はコスプレ会場になっている。会場に合わせてか中世のコスプレをしている人が多い。
エンポリの街なかもお祭り状態だ。子供たちのためのイベントが多い。
街なかでフツーにコスプレしている人がいる。生徒たちは一緒に写真を撮ってもらっている。
レゴのブース。巨大なジオラマが全部レゴブロックで出来ている。
レゴで作られた「スターウォーズ」物。デス・スターすげぇ!(^^;)。
ミレニアムファルコンも感涙モノの出来だ(^^)。
とにかく品揃えがハンパ無い。子供たちは大喜びだ(^^)。
日本特集ブースではタコ焼きを売っていた。多分、あの鉄板で焼くのは難しいのだろう。タコ焼きは保温器の中に入っている。冷凍食品を温めたのだろう。
味はまさにタコ焼きそのもの。イタリアでタコ焼きが食べられるとは思ってもみなかった(^^;)。
ユーロ漫画出版社のブースに戻る。生徒たちが手伝っている。
売られているのは漫画用の画材や日本の漫画技法書のイタリア語翻訳版などだ。
僕の単行本も売られている。
筆ペンのセット。イタリアでは多分、ユーロ漫画出版社でしか販売されていない。イタリアでは筆ペンは、まず漫画を描くための道具でしか使われないからだ。ユーロ漫画出版社は「ぺんてる」と提携しているので筆ペンを販売することができる。
ヨーロッパでは日本漫画ブームなのだから、日本の画材メーカーはもっとヨーロッパの販売に力を入れるべきだ。日本では漫画制作のデジタル化が進むので、画材の売れ行きが頭打ちになることは目に見えている。ヨーロッパでは日本漫画ブームとはいえ、漫画用画材の市場はほぼ未開拓だ。これから漫画を描きたいと思っているヨーロッパの人たちに絶対需要はある。これはビジネスチャンスだ。
またヨーロッパでは漫画用画材はほとんど日本からの輸入モノなので、日本での販売価格よりもどうしても割高になるヨーロッパで漫画用画材が安定供給できれば手ごろな値段で買うことが出来るので、購入層も絶対に広がるはずだ。
これは日本にとってもヨーロッパにとっても良い話だと思うけど、どうだろうか?。
実際に筆ペンセットは売れている。筆ペンは髪の艶ベタを塗る時などで便利だからだ。
(ヨーロッパ漫画学院Facebookより転載)
僕は席に座って絵を描き始めた。ライブドローイングだ。これは人目についたのか、珍しさから単行本を買ってくれる人が多くなった。
(ヨーロッパ漫画学院Facebookより転載)
単行本を買ってくれた人にはサインを入れた。
ライブドローイングで描いたイラスト。
You Tubeにライブドローイングの様子が投稿されている(^^;)。
(ヨーロッパ漫画学院Facebookより転載)
壁に掛けられているタペストリーに2年前の僕の姿が写っている。
2年前のグラフィック社での漫画レクチャー。これが縁となりヨーロッパ漫画学院との付き合いが始まった。
僕がグラフィック社の仕事を引き受けていなかったら、この日に仕事の打ち合わせが無かったら、またこの日にヨーロッパ漫画学院の人たちが会社見学に来ていなかったら・・・。少しでもタイミングがズレていたら僕がイタリアにいることなどあり得なかったワケだ。
人の運命など、どう転がるか判らない。だけど仕事をちゃんとしていれば好転するほうに向かうのだなとしみじみと思った。
今回のヨーロッパ渡航は予想以上の体験ができ、とても実りの多い旅だった。ヨーロッパに来て本当に良かった!(^^)。
イタリアでの観光はほとんどが世界遺産なので、相当見応えがあった。
・ピサ
「ローマ水道」
約2000年前の遺跡とはいえ、今でも水道としての機能が利用されている区間もあるから驚きだ(^^;)。
「ピサの斜塔」
ドゥオモ広場にある鐘楼。16世紀にガリレオ・ガリレイが落下実験を行ったという伝説があるものの、ガリレオ・ガリレイがピサで実験を行った記録は無いらしい(^^;)。
人数の制限はあるものの、中に入ることが出来る。
・ヴォルテッラ
ヴォルテッラはローマよりも古い都市。一応観光地ではあるものの、古い建造物の中で多くの人たちが生活しており、高地にあるため特に観光地化され整備されているわけではないので多くの遺跡が自然な形で残っている。
「競技場跡」
2000年前のもの。驚くのはこれがこの都市の中で一番古いものではない(^^;)。
ヴォルテッラの政治の中心地。中世の時代から政治の中心地であり、市庁舎もここにある。つまり公務員は遺跡で仕事をしていることになる(^^;)。
(ヨーロッパ漫画学院Facebookより転載)
ヴォルテッラの市庁舎にて市長さんと記念撮影。どうやら僕は「日本の漫画家、ヴォルテッラに来たる!」という扱いになっているようだ(^^;)。
ヨーロッパ漫画学院の卒業式はこの部屋で行われるらしい。
ヴォルテッラの中で最も古い遺跡。3000年前の城門。紀元前の遺跡がフツーに生活圏内にあるのがスコイな(^^;)。
ヴォルテッラのPRのため、僕はここでも市長さんと一緒に記念撮影をしている。
・フィレンツェ
フィレンツェは15世紀のイタリアン・ルネッサンスの中心地。英語読みで「フローレンス」という。華やいだ都市のイメージにピッタリだ。
「ヴェッキオ橋」
アルノ川に架かっているフィレンツェ最古の橋。現在の形に再建されたのが1345年だという。670年前だ。日本でいえば室町時代初期、南北朝の時代に相当する(^^;)。
橋の両側に貴金属店が並ぶ。メチャメチャ観光客が多い(^^;)。
ヴェッキオ橋の先を行くと広場が見える。そこにあるものは・・・!
ダビデ!Σ( ̄□ ̄;) 。
ミケランジェロの「ダビデ像」だ。
僕は著書「絵になるキャラポーズの法則」にて、コントラポストの代表作としてダビデ像を挙げている。まさか本物と出会える日が来ようとは・・・!(^^)。
別角度。ダビデ像を別角度から見られるなんて機会、滅多にあるもんじゃないよ(^^)。
広場にはダビデ像の他にも多くの彫刻がある。ルネッサーンス!(^^)。
この間にドイツの副操縦士による飛行機墜落事故があったため、日本にいる家族や知人には心配をかけるハメになってしまった。とんだ珍道中だ(^^;)。
イタリアへ来たのは、「ヨーロッパ漫画学院」という日本漫画の技術を教える専門学校に講師として招待されたためだった。
2年前、グラフィック社に「絵になるキャラポーズの法則」制作の打ち合わせに行ったところ、ちょうどヨーロッパ漫画学院の校長先生と講師の方たちが会社見学に来ていて、編集部から「彼らにちょっと軽く漫画のレクチャーをしてくれないか」と言われたのがきっかけだった。
ヨーロッパ漫画学院は毎年9月に生徒たちを引き連れて3週間ほどの日本留学をしていた。その期間中に行われるワーゥショップに僕は講師として呼ばれるようになった。それが縁となり、今回はイタリアに招待されて授業を行うことになった。
ヨーロッパ漫画学院HP
http://www.accademiamanga.it/jap/index.php
ヨーロッパ漫画学院Facebook
https://it-it.facebook.com/accademiamanga?rf=301583486604617&filter=3
ヨーロッパ漫画学院は郊外にある。到着したときはすでに辺りは真っ暗になっていた。
ルフトハンザ航空の2度のストライキでイタリア入りが3日ほどおくれたが、皆、暖かく迎えてくれた。
寮にあるゲストルーム。僕はここで生活をすることになる。
建物の1階は食堂と僕の部屋がある。生徒たちは2階で寮生活をしている。イメージとしては普通運転免許の合宿教習の感じだ。
目の前にはトスカーナ地方の美しい風景が広がっている。こんなに環境が良い漫画の専門学校は日本ではとても考えられない(^^;)。
丘の頂上に寮があり、その下に教室がある。
本科コースの生徒たち。20人ほどの生徒がここで日本漫画の勉強をする。
ヨーロッパ漫画学院の校長先生は「ユーロ漫画出版社」の取締役でもある。僕の単行本もそこから出してもらった。
ユーロ漫画出版社HP
http://www.euromanga.it/
ユーロ漫画出版社FaceBook
https://www.facebook.com/euromangaedizioni
自分の漫画がイタリア語のセリフになっているのが何とも不思議な感じだ(^^;)。
僕は最初の授業として「日本漫画の基本的構造と構成」を教えた。
生徒たちは絵の技術や効果やトーン処理などについてなど「目も見えるもの」についての学習はしてきた。しかし欧米漫画とは特徴が異なる日本漫画の基本的構造や物語を読ませるための構成の工夫など「目に見えにくいもの」については学んではいなかった。
これは日本人があまりにも漫画読みとして成熟しているためにすでに皮膚感覚で身に付いているものなので、あえて言語化されていない要素である。イタリアで日本漫画ブームとはいえ、漫画読みのキャリアとしては日本人読者と比べるとまだまだ浅い。イタリア人にとってはこれから長い時間をかけて身に付けなければならない要素でもある。これはこれから日本漫画を学ぼうとするイタリア人漫画家にとっては圧倒的に不利である。
そこで僕は自作の漫画を使って説明することにした。これは、既存の漫画作品を例にして説明するほうが簡単だけど、教材としてプリントなどにしてコピーした時点で著作権的にアウトになるためだ。プロジェクターなどで投影する分は大丈夫らしいけど、コピーを作った時点でアウトになるらしい(^^;)。
面倒なことになるのは嫌なので、何の問題も無い自作の漫画を利用することにしたワケだ。
僕が予想した通り、生徒たちにとっては目から鱗の内容だったという。これで日本漫画についての理解が深まれば嬉しい(^^)。
次の授業では、ドイツでのトークショーの内容をそのまま流用した。著書でも書いた「コントラポストを利用したポージング」について説明した。
コントラポストとは、体重を片側の脚に寄せ、腰と肩を相反した傾きを作ることで曲線的で柔らかいポーズを作るテクニックだ。直立させるよりも意図的にポーズを崩すことによって柔らか味作ることでもある。
写真にある2枚の絵は、僕が授業で描いた作例。
(ヨーロッパ漫画学院Facebookより転載)
3回目の授業は、午前中から校長先生と供に用事で出かけていたために、戻って来てから残り時間が2時間ほどになってしまった。
授業をするには時間が中途半端だったため、急遽内容を変更、僕が原稿を描く実演を生徒たちに直接見てもらうことにした。
下書きからペン入れ、集中線描きまで説明をしながらやり、生徒たちからの質問にも答えた。原稿の描き方は説明するよりも実際に描く手順を見てもらったほうが説得力が出るし、生徒たちのためにもなると思ったからだ。
しかし、写真のように衆人環視の中で原稿を描くプレッシャーはハンパ無い(^^;)。しかも2時間の時間制限の中で描き上げなければならない。これは自分のための訓練でもある(^^;)。
ジャスト2時間で原稿が完成した。描いているところを人に見せるライブドローイングは何度か経験はあったが、せいぜいキャラクターを描く止まりだった。集中線やホワイトまで入れるのは初めての経験だった(^^;)。
イラストにサインが入っているが、これは後から頼まれて入れたもの(^^;)。
他の講師の方の授業の時は僕は見学をしていた。写真はジュジィ先生。ショートストーリー漫画の授業をしていた。写真はキャラクターのポーズを描くためにポーズを取っているところ。
生徒たちの作品は、まさに日本漫画。ヨーロッパでの日本漫画ブームは日本人の想像以上だということがよく判る。
水彩着色の授業。ヨーロッパ漫画学院の授業で教えるのは基本的に手描きの技術。生徒が趣味で描く原稿にパソコンを使うことはあっても、授業では基本的には手描きである。
確かに手描きで技術を覚えたほうが応用が利くので、これは良いやり方だ。
、アンドレア先生の授業。キャラクターの演技やストーリー構成などを教えている。
キャラクターの演技や演出について細かく指導している。
アンドレア先生が言うには、生徒たちは主人公に感情移入してセリフを作ることは出来るが、脇役の気持ちになってセリフを考えることが苦手らしい。そこを指導するのがなかなか難しいのだという(^^;)。
食堂での食事は、朝食はセルフで奥のテーブルの上のメニューをピックアップするが、昼食と夕食は当番の生徒が皆の分の配膳をする。
日本での食事と違うのが、まず前菜のメニューが出て、皆がそれを食べ終えてからメインディッシュが出ることだ。日本のように全部のメニューが一回でテーブルに並べられるのではなく、順番に食事が配られるので注意が必要だ。
スクランブルエッグに挽肉のソースがかかったもの。混ぜながら食べるとンマ~イ!。
さすがイタリア料理はンマ~イ!(^^)。
ペペロンチーノ。ピリッと辛味が効いていてンマ~イ!(^^)。
ペンネフィットチーネ(だったっけ?^^;)。ンマ~イ!(^^)。
ラザーニヤ。美味い!さすがパスタの国の人だもの!(^^)。
休日は、生徒たちは食堂で原稿を描いたりテレビを観たりしている。また「鋼の錬金術師」のDVDを観賞することが流行っているらしく、主題歌を日本語で歌う生徒もいる。
外でのボール遊び。一見バレーボールのようだが、細かいルールがある。
最初のトスを上げる時は「ウノ(1)!」と宣言しなければならない。あとは心の中でトスが続く数を数え、5打目にボールが来た場合はアタックして誰かにボールに当てまければならない。ボールを避けたりキャッチすればセ-フ。当てられたらアウト。3アウトで退場となる。
僕も混ぜもらったが、ルール通り動くのが結構難しい(^^;)。
授業見学時の空き時間を利用して生徒たちのラフスケッチを描いた。
ディエゴ、ダヴィド、レオナルド、ラファエッラ。
スケッチをすることで顔と名前が一致するようになった。また生徒たちを描いていると、生徒たちと直接話すきっかけにもなった。
エリカ、フランチェスカ、マッラ、ネネ。
レアンドロ、アレッサンドロ、ダヴィデ、ジュリア。
ステッラ、マリアンヌ、ヴェロニカ、マッダレナ。
イレーナ、アレッサンドロ、フェッデリカ。
キアラ、ナンシー、サラ、ミリアナ。
なんとか覚えたけど、僕の滞在日数が3日短縮になったので、もう日本に帰らなければならない(T_T)。
・ライプチヒ
「ライプチヒ中央駅」
築100年という巨大な石造りの駅。東京駅と同い歳だ。
カマボコ型のドーム屋根が、いかにもヨーロッパの駅という感じがする。
記念撮影。僕は鉄道マニアでは無いが、こういうものに萌える気持ちが判るような気がする(^^)。
・ベルリン
映画「ベルリン・天使の詩」にも登場する「戦勝記念塔」。
「カイザー・ヴィルヘルム記念教会」
記念撮影をするベルリンの天使ならぬ、傷だらけの天使・・・?(^^;)。
「ブランデンブルク門」
こちらは旧西ドイツ側。西側出身のカールセン社スタッフは、門の上の銅像が西側にお尻を向けていることにプリプリ怒っていた(^^;)。
旧西ドイツ側。
門をくぐって旧東ドイツ側へ。25年前までは不可能な行為だった。現在では門をくぐって東西に抜けても銃殺されることはない(^^;)。
ドイツでは、これだけ青空が広がって晴れるのは極めて珍しいそうだ。絵葉書のような奇跡の一枚。
「ポツダム広場」
壁をイメージしたコンクリートブロックが並んでいる不思議な空間。現代美術とでもいうのか。この中に入って行くとブロックの大きさは人間の身長よりも高くなる。
「ベルリンの壁」
観光用に残してある本物。旧東ドイツ側の軍服を着ているコスプレイヤーがいる。
壁の断面は約30cm。想像していたよりも薄かった。
僕は25年前、ベルリンの壁崩壊のニュースをリアルタイムで観ていた。当時はこの壁が崩れるとは夢にも思わなかった。そして現在、自分がその壁の前にいるということも(^^;)。
・ハンブルク
ハンブルクは不思議な街だ。新旧問わず建物が見事に四角で構成されている。まるで「ウルトラセブン」の第四惑星みたいだ。
夜。まるで「あなたはだぁれ?」の回みたいだ(^^;)。
「エルベトンネル」
1900年代初頭にエルベ川の下に掘られたトンネル。これが向こう岸まで続いている。
美しい一点透視図法で、まさに「第四惑星」だ(^^;)。
フェリーに乗る。
沿岸にあったのは、なんと第二次世界大戦時のドイツ潜水艦「Uボート」(本物)だった!
どうやら展示用として残され、お金を払えば内部を見学できるらしい。
ハンブルクは港町として栄えた。大昔の倉庫街が今でも残っている。
実はこの翌日にハンブルクからミュンヘン空港に向かい、そこからイタリアに飛ぶ予定だった。
しかしルフトハンザ航空がストライキを起こし、ドイツ国内線がストップ。ハンブルクからミュンヘン空港まで飛べなくなった。
ハンブルクからミュンヘン空港まで列車で行くという手もあったが、ハンブルクからミュンヘンまでは東京~九州までの距離に相当するので、列車の時間の関係上、ミュンヘンに到達するのは真夜中になってしまうという。ミュンヘンに新たにホテルの予約をするのも難しいし、真夜中にチェックインするのも難しい。
ストライキは1日だけの予定らしいが、終わらない限りこちらも動きようがないので、移動日であるこの日はハンブルクに延泊、翌日にチケットか取れたらミュンヘンに移動ということになった。
翌日、僕の著書の日本での版元であるグラフィック社の付添い人が、気を利かせてくれて観光に連れ出してくれた。エルベ川の倉庫街の近くにある「ミニチュアミュージアム」に行った。
日本でいえば「東武ワールドスクエア」と「鉄道博物館」が合体した感じ。しかし規模がデカイ!。
なんかもう、ジオラマというより特撮ステージだ(^^;)。
時間によって照明が昼→夜→朝に変わっていく。夜景がメチャメチャ綺麗!(^^)。
・ミュンヘン
チケットを取り直し、翌日3月19日にハンブルクからミュンヘンに移動。イタリア行きのチケットも取り直し、また翌日の3月20日にイタリアに向かうことになった。
しかしここでルフトハンザ航空が2度目のストライキを3月20日に行うことが決定!しかも今度は国際線のストライキなので、確実にイタリアへは行けない(T_T)。
ミュンヘン空港からイタリアのピサ空港まで飛行機で1時間少しくらい。しかしこの時点でドイツでの2日間の足止めが決定した。
3月20日の朝、なんと北欧で皆既日食が見られるというニュースが入ってきた。しかもこれは200~300年に一度の大規模なものらしい。ドイツでも80%ほどの欠けになるらしい。まるで漫画「ベルセルク」の蝕だ。僕がドイツで足止めを食らっているのは、以前に僕が拾った赤い「ベヘリット」のせいなのか?でも赤いのは僕がタミヤカラーで塗ったからなんだけどね(^^;)。
日食が見られるのは、この時間から1時間後らしい!。僕は急いでクリアファイルをマーカーで黒く塗りつぶし即席の日光グラスを作った。
ホテルから少し離れた所にある「マリエン広場」まで出かけた。
明るいはずなのに心なしか周りが暗くなっているような不思議な感じがした。
日光グラスで太陽を見る人が出始めた。
黒く塗りつぶしたクリアファイルをスマホに当てて撮影。一応は欠けているようだが、このくらいが限界か。
ドイツでは80%ほどの欠けになるといわれていたが、ミュンヘンはドイツ南部なので欠け具合が浅く見えたのだろう。イタリアはもっと南にあるので、この日にイタリアに行っていたら日食の欠け具合はもっと浅くなっていたはずだ。ストライキでドイツで足止めを食らったが、結果的には良かったということなのか・・・?(^^;)。
イタリア行きは翌日3月21日になった。しかしピサ空港行きではチケットが取れずフィレンツェ空港行きになった。
ミュンヘン名物の白ソーセージ。ドイツ料理はソーセージや肉料理がメチャメチャ美味い!。和食が恋しくならないほどに(^^;)。
これがドイツ最後の夜の食事になる(はずだ!^^;)。
ツイッターでは渡航の様子を逐一報告していたが、分量が多いのでブログでは掻い摘んで紹介することにする。
「ドイツ・イベント編」
これは2年前に出版された僕の著書。
http://www.amazon.co.jp/dp/4766124855/ref=as_sl_pd_tf_lc?tag=esimeibo-22&camp=243&creative=1615&linkCode=as1&creativeASIN=4766124855&adid=1RXDR98MPYGKDM39D5Y9&&ref-refURL=http%3A%2F%2Foekakiart.net%2Fmimisyo%2F004hon.html
それのドイツ語版がドイツのカールセン社から出版された。
http://www.amazon.co.jp/Draw-Manga-Manga-Figuren-dynamischen-Posen/dp/3551752591
そのため「ライプチヒ・ブックフェア」に僕はゲストとして招待されることになった。
羽田からドイツまでは飛行機で約12時間。なんとかライプチヒに到着。ライプチヒは旧東ドイツの面影がまだまだ残っていた。
なんとホテルまでBMWのリムジンが迎えに来た。
BMWのリムジンに乗って「ライプチヒ・ブックフェア」の会場まで向かう。
日本では無名の漫画家なのに、何様なんだ俺!?(^^;)。
「ライプチヒ・ブックフェア」の会場。日本のコミケみたい。ただ違うのは出版社のブースがほとんどだということ。
カールセン社のブース。僕の著書のイラストがデカデカと壁一面に載っている(^^;)。
エヴァの単行本とならんでイチ推しの本になっている(^^;)。
レジの女の子たちのノリが良い(^^)。
イベント初日はサイン会。この行列は僕のサイン会待ちだという。マジッすか!?(^^:)。
サインはあらかじめ用意した色紙に書く。写真のサインは元から印刷されたもの。右の空きスペースに直にサインを書き込む。本を買ってくれた人には本にもサインをする。
イベント2日目はステージに上がってトークショー&サイン会。
普通、日本の漫画家がゲストの場合は作品についてのインタビューがほとんどなので受身で済むが、僕の場合は「技法書」なので内容について僕がプレゼンテーションをしなければならなかった(^^;)。
デカいステージに多くの観客がいて緊張したが、僕はステージに上がり開口一番「グーテンターク(こんにちは)!」と叫び観客席に手を振った。カールセン社のスタッフは今まで何人もの日本の漫画家をゲストに迎えていて、日本の漫画家はとてもシャイであるという印象を持っていたようだ。だからまさか僕がそんな行動に出るなんて全く予想外で驚いたらしい(^^;)。
その後にドイツ語で手短に挨拶をした。そのためか会場の空気が和らいで緊張感が解けた。やっぱりその国の言葉で挨拶するのって大事だね(^^)。
司会の人の盛り上げ方や振りの上手さにも助けられ、観客の反応も良く楽しいステージになった(^^)。
イベント3日目は別のステージでのトークショー&サイン会。前日のステージよりも小規模だが、その分観客との距離が近い。観客の顔が見える分緊張する(^^;)。
でも前日のステージで慣れたのか、思ったよりもちゃんと言葉が詰まらずに出てくる。良い傾向かもしれない(^^)。
「ライプチヒ・ブックフェア」終了、ライプチヒからベルリンへ移動。ベルリンのホテルに宿泊して翌日は「J-STORE」という漫画専門店でサイン会を行った。
店の入り口にサイン会の告知のポスターが貼ってある。
日本ではサイン会なんて一度もやったことが無かったが、ドイツに来て連日サイン会をしている。なんとも奇妙な状況だ(^^;)。
当然ながらサインする相手はほとんどがドイツ人。
僕が「こんにちは」と挨拶すると、「コ、コ、コンニチハ・・・!」と緊張した返事をする人が意外と多かった。実はドイツ人の漫画ファンは結構シャイな人が多い。
僕は「外国人は自己主張をハッキリする」と思っていたが、どうやらお国柄や人それぞれの性格でそうとも言い切れないようだ。
でもシャイではあるものの、謙虚で真面目で良い人たちばかりだった(^^)。
店長さんや店のスタッフさんたちと一緒に記念写真(^^)。
サイン会終了後、ベルリンからハンブルクへ移動。翌日は僕の著書のドイツ語版を出版してくれた「カールセン社」に行く。社内では抽選で選ばれたファンたちが待っており、その人たちの前でトークショー&サイン会を行った。
サイン会の時、ファンの女の子が手描きのイラストをプレゼントしてくれた。宛名が「Ihara-Sensei(伊原先生)」になっている。つまりサイン会の日に合わせて僕のためにイラストを描いて用意してくれていたわけだ。女の子の名前が読み取りにくくて紹介出来ずに申し訳ないが、これはとても嬉しかった(^^)。
これもサイン会の時にファンの女の子からいただいた。Maria Hecherさんという方で、彼女のイラスト入りのマグカップと彼女が描いた同人誌の小冊子をいただいた。
日本漫画スタイルの影響が強いのがよく判る。ヨーロッパは日本の漫画は「Manga」で通じるが、その浸透具合がよく判る。
話は前後するけど、「ライプチヒ・ブックフェア」開催中に、カールセン社に馴染みの深いドイツのプロ漫画家たちとディナーを共にした機会があった。ここでカールセン社の計らいで僕はこの人たちに色紙にサインを書いて贈った。
そしたらハンブルグでカールセン社の編集者が、僕へのお礼だと言って、漫画家の人たちから預かったプレゼントを持ってきてくれた。
写真のサイン色紙はMarika Paulさんから。さすがプロ漫画家だけあってクオリティが高い。
Melanie Schoberさんから。サイン色紙と単行本をいただいた。
日本の漫画スタイルを完全に自分のモノにしている。しかもクオリティーが高い。
Martina Petersさんから。サイン色紙と単行本をいただいた。
僕は漫画家の皆さんにサイン色紙を渡す時、一緒に名刺を添えていた。そこから僕の名前の漢字を真似したらしい。その気持ちがとてもありがたい(^^)。
それにしても皆、漫画のクオリティーが高い!。そのうち漫画は日本のお家芸などと言っていられなくなるかも(^^;)。
今回は女性作家の方3人からお礼をいただいたが、面白かったのが3人とも漫画家になろうと思ったきっかけが、アニメ「美少女戦士セーラームーン」を観たからだという。セーラームーン強ぇ!(^^;)。
安彦絵が動くことに感動!(^^)。
実物大シャア専用ザクヘッド。
来て良かった!(^^)。
映画を観終わって甲州街道沿いに出る。ここに僕と同じ名前のカツ丼屋がある。
ここは昔、僕が千駄ヶ谷の日本デザイン専門学校に行っていたときに通っていた。新宿に近かったので、当時は二本立ての映画を観たり「まんがの森」に行ったついでにカツ丼を食べていた。いい時代だった(^^)。
あれからもう30年経つのか・・・(^^:)。
三ツ葉のいい香りが特徴的なカツ丼。これを食べると当時に戻った気分になる。しかし値段は当時350円だったのが現在450円。値段は当時のままというわけにはいかないか(^^;)。
http://
単行本はイタリア語版でしか出ないため、例えば日本国内で名刺代わりに営業に使ったり、知人にプレゼントをしても内容を判ってもらえない(^^;)。
どうしても日本語版のサンプルが必要になると思い、試験的に自費出版で作ってみることにした。
ちょうどネットの記事でこういうのがあった↓。
http://
(株)RED TRAINという会社の「OneBooks」というサービスだ↓。
http://
・オンデマンド印刷のみ。
・データ入稿のみ。原稿は原寸で。モノクロは600dpi以上、カラーは350dpi以上。
・カラー、モノクロどちらでも同一料金。
・基本料金(1冊200円)は表紙、カバー・オビ付き(無しでも同料金)。PP加工(ツヤ、マット)可。
・カバー(A6、B6、A5まで)・オビ(A6のみ)。
・本文は4ページごとに「A4、B5は25円」、「A5、B6は15円」、「A6(文庫サイズ)は10円」
・1冊から注文可能、何冊作っても1冊あたりの単価は同じ。
普通、オフセット印刷の場合は注文は数十冊からしか受け付けない。試作本を作るには冊数が多いし値段もかかる。
オンデマンド印刷の場合は印刷用の版を作る手間が無いため、1冊からの注文が可能。僕が作るのは用紙&加工別で14冊だったので、これはありがたかった。
ちなみに僕が作ったのはA6(文庫サイズ)で本文124ページ。1冊のコストを計算したら510円プラス消費税だった。これは安い!。コミケで売るようなB5サイズで「薄い本」だったら、もっと安く仕上がることになる。
ただしオンデマンド印刷は、インクがトナー(?)なので、印刷面がテカるというデメリットがある。オフセット印刷のようなマットで落ち着いた印刷面にはならない。
オンデマンド印刷は「コンビニのコピー(カラー含む)」の仕上がりイメージに近い。そこが好みの分かれるところだ。
僕の単行本の生原稿はB4で全部手描き。原稿は現在イタリアにあるので、あらかじめ取っておいた原稿のコピーをスキャンしてデータ原稿をパソコンで作った。
データ原稿は仕上がる本の原寸で作らなければならないため、B4サイズの原稿をA6サイズまで縮小しなければばらない。この時問題なのは、スキャンしたトーン付きのアナログ原稿を縮小すると、トーン部分にモアレが起こる。心配ではあったが、それを確認するための試作本でもある。
セリフ部分をパソコンで日本語を打ち込む。本文で使う紙の種類によって本の厚さが変わるので、カバーの背表紙を幅の違う3種類のデータを作った。
データ原稿をアップロードして入稿。本が出来上がるのを待った。
そして2月12日、試作本が完成。
本は宅配でも送ってもらえるが、配送料1000円がかかる。先方の事務所は都内で近いので、来社受け取りにしてもらった。自分で本を持ち帰るので、配送料がかからない。
事務所は北上野にある。事務所近くからスカイツリーが大きく見える。こんなの日常風景じゃねーよ!(^^;)。
本を受け取り代金を支払った。帰り、家まで待ちきれなくて八潮駅前のマクドナルドで開封した(^^;)。
用紙別、加工別で7パターンを2冊ずつ、計14冊作った。本の上の貼ってあるポストイットには、種類別のメモが書かれている。右上にあるのは紙見本(500円)。
カバーは用紙の薄め、厚め、表面のPP加工(ツヤ、マット)別で試作した。今回はオビを付けず。カバーが付けられるのも基本料金の内なのが嬉しい(^^)。
表紙のPP加工。左がツヤ、右がマット。
使う本文用紙によって本の厚みが変わるため、背表紙の幅を変えてある。一番薄くて6ミリ弱、一番厚くて約8ミリ。文庫本サイズだと2ミリの差で厚さの印象が全然違ってくる。
左の本文用紙が「淡クリームキンマリ」。右が「上質紙」。もう一種類「RTライトノベル」という文庫本専用紙を使ったものもあるが、色は「淡クリームキンマリ」と同じ。
使った用紙は以下の通り。
・上質紙 70kg 90kg
・淡クリームキンマリ 72.5kg 90kg
・RTライトノベル 63kg
本が一番薄くなったのは「上質紙 70kg」。一番厚くなったのは「上質紙 90kg」。
上質紙は白の色味が強くベタの発色は綺麗だが、ベタのテカりが強く見えて、コンビニのコピー感が強くなる。
文庫本サイズでは紙が固くめくりにくい。B5サイズの薄い本ならちょうどいい固さかもしれないけど、文庫本のようにサイズが小さくページが多いものにとっては不向きかもしれない。
90kgよりも70kgのほうがめくりやすくなるが、紙が薄い分、本の厚みは薄くなる。
淡クリームキンマリは発色が薄めのクリーム色のため、印象は文庫本や漫画単行本に近い。ベタのテカりはあるものの、上質紙よりは落ち着いた感じに見える。厚みも僕のイメージに近い。
しかし文庫本にとっては固くてめくりにくい。90kgも72.5kgも同じ。これもB5サイズの薄い本ならちょうどいい固さかもしれない。
RTライトノベルは今回試した紙の中で一番軽い63kgだったが、紙に空気が含まれているために紙に厚みがあり、また柔らかくなってめくりやすい。文庫本にはちょうどいい感じで仕上がりが僕のイメージに一番近かった。
ベタのテカリがよく判る。これがコピーっぽく見える原因だが、淡クリーム色の本文用紙なら気にならないし、光に反射させない限りはテカらない。
これさえ気にしなければ安く綺麗な本が1冊から作れるので、お試しに作るのにイイかも!(^^)。
作業員にガノタ(ガンダムヲタク」がいるようだ(^^;)。
明けましておめでとうございます。2015年の幕開けです(^^)。第3新東京市に使徒がやって来たり、マーフィ・マクフライが30年過去の世界からデロリアンに乗ってやって来ますよ!(^^)。
毎年恒例の元旦走行。以前は自転車で遠出していたけど、3年前に運転免許を取得してから実家の車を借りて出かけるようになった。
今回の目的地は埼玉県上尾市にある「オートパーラー上尾」。国道17号線沿いにある24時間営業の自販機ドライブインだ。
自販機コーナーにはドリンクの他、トーストサンドやそば&うどん、カップ麺やお菓子も売っている。24時間開いているのでドライブの休憩にはもってこいだ。
トーストサンドやそば&うどんの自販機は機械の中で調理するタイプ(トーストは温めのみ)で、現在は生産終了になっているらしい。それにもかかわらず機械は新品のよう。すごく手入れが行き届いている。
TVアニメ「それでも町は廻っている」のアニメオリジナル回に、似たような自販機が登場する。アニメではドライブインではなくコインランドリーだが、自販機の雰囲気はほぼ同じだ。
トーストサンドの販売機。
「チーズハム」と「コンビーフ」の2種類がある。値段は200円。お金を入れ商品ボタンを押すと「ト-スト中」の表示が出る。焼き上がるまでしばらく待つ。
トーストはアルミホイルに包まれた形で出てくる。左が「チ-ズハム」、右のマジック印が付いているものが「コンビーフ」。
中身はこんな感じ。食べてみると、想像通りの味。しかし200円でこれだけ食べられれば上等であり、店内の雰囲気もあって食べた満足度は高い。
そば&うどんの自販機。アニメはほぼ忠実に再現している。
アニメとは違い、取り出し口の中に内蓋があるため中の様子は見えない。しかし機械の中ではアニメのように湯切りと汁出しが全自動で行われている。完成まで25秒。早っ!(^^;)。
トーストを2つ食べたので「天ぷらそば」だけにした。これで200円。
200円でこれだけ食べられれば上等だ。
この機械はすでに生産中止であるだけでなく、こういうタイプのドライブインそのものが営業終了になっているケースが多くなっているので、この機械で作るそば&うどんを食べられることが希少になっている。食べに行くなら今のうちだ!。
You Tubeに動画がアップされていた。管理人さんへのインタビューがある。
管理人さん、ええ人やぁ~っ!(^^)。
昔懐かしの瓶コーラまで置いてある。まさにレア物だ。
しかし自販機コーナーは店内の1割程度のスペースしかない。他の9割はパチ台やゲーム機が占めている。
ヤンキーの溜まり場になっているのかもしれない。そのせいヵ店内が少々ヤニ臭い(^^;)。
こういうドライブインは埼玉、群馬に点在するらしい。機会があれば別のドライブインにも行ってみようと思う(^^)。
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